4.突きつけられた厳しい現実
(第2回旅トーク)
旅トークは2018年1〜3月の間に3回開催することを決めていました。
なので第1回が終わって、息つく暇もなく第2回に向けた準備が始まりました。
第1回目は新しいイベントということもあってかFacebookのイベントページ上でたくさん拡散してもらえたりするなど、かなりいい反応でした。
しかし、第2回目は厳しい現実が待ってました。
どんなイベントも2回目は集客に苦戦するものだということを前々から聞いてましたが、ほんとに想像以上でした。。。
第2回までの準備期間が1ヶ月もなかったことで第2回の詳細の決定と告知が遅れたり、告知の方針も定まらないままだったりで全てが中途半端になってしまいました。
日本人がたくさん集まるところに行って、そこで声をかけるなどのアナログ集客もこの回から本格的に開始しました。
ところが、声をかけた人の反応はイマイチで、「行けたらいくよ」みたいな社交辞令的な反応が多かったです。
SNSの反応から、開催前の時点であまり集まらないのが分かっていました。
そこからくる焦りと極度のプレッシャーから第2回開催前の一 週間はほとんど寝れなくなって体調も最悪でした。
少数でも「参加予定」にしてくれている方のために全力で準備をしようと思ってる反面、もうイベントを中止にして逃げ出してしまいたいという想いも日に日に大きくなっていきました。
そんな状態で迎えた第2回旅トーク…予想通り小規模のものになってしまいました。
第2回旅トークは集客の面からだけ見れば上手くいきませんでした。
しかし、非常に多くのものが得られた思い出深い回になりました。
「知っているようで知らないベルリンの壁の実際」
●特別講座2 小林源
「スマートフォンを使った盛れる自撮りの方法」
●講演 勝呂方紀
「世界一周して気づいたこと (inアイスランド)」
●交流会
写真スライドショー「僕が歩いた45ヶ国」
今回の僕の話はベルリンの壁について。
小林さんの特別講座は盛れる自撮りの方法でした。これは一人旅をする人にとっては必須の技術です。
勝呂さんの講演。今回はアイスランドのお話。素敵な写真を交えてお話いただき、世界には僕の知らない景色がまだまだたくさん広がっていることに改めて気づかされました。
①小規模ながらもかなり充実していた内容
②自分が幸せ者だということに気が付く
①小規模ながらもかなり充実していた内容
第2回の規模自体は小さくなりました。
しかし第1、3回目と同じくらいイベントの質は非常に高かったと思います。
勝呂さんのアイスランドのお話は非常に興味深く、学びの中に笑いもあって非常に充実した内容の講演をしていただきました。
小林さんのカメラ講座(盛れる自撮りの方法)も実用的な内容で今でもこの時に教わった方法をちょくちょく実践しています。
第2回はたくさんの人に聞いてもらいたかった内容だっただけに、非常にもったいなかったなといまだに残念に思ってます。
②自分が世界で一番幸せ者だということに気がづく
第2回が開催された2月末は、卒業まであと1ヶ月という追い込みの時期でした。
同期のみんなは、毎日毎日夜遅くまで寝る間も惜しんで自分の作業をやってました。
そんな時期でしたが、イベントの当日のお手伝いの依頼を同期のFacebookグループに一応流しました。
でも、さすがにお手伝いしてもらうのは厳しいだろうと諦めてました。
しかし、当日会場に行ってみると…会場近くのカフェに同期がほぼ全員スタンバイしてくれてました。
しかも僕より早く。。。。ほんと、これ以上ない嬉しいサプライズでした。
また、参加人数が少ないということを事前にお伝えしたにも関わらずしっかり講演の準備をしてくださったThe Company CEBUの勝呂さん、カメラ講座に限らずFacebookでの集客でもご協力くださった小林さんにも感謝の気持ちでいっぱいでした。
また、おそらく旅にはあまり興味がなさそうだけど(笑)、僕のために来てくださったG先輩(中高の先輩だけどセブではじめて出会いました笑)、唯一全ての回に参加してくださったKさんが参加してくださったのも嬉しかったです。
たくさんの方に支えられたこの時(第2回)のことを思い出すと今でも胸が熱くなります。
第2回終了時は心身共に疲れきってはいましたが、集客が上手くいかなかった絶望感よりも自分を応援してくれている人がこんなにたくさんいることへのありがたい気持ちがだいぶん上回ってました。
こんなにたくさんの人に応援してもらってる自分はどんなに幸せ者か改めて実感しました。
正直、集客が上手くいかない苦しさから、第2回で最後にして逃げ出したいという気持ちもありました。
心身ともにボロボロの状態でしたが、みなさんから最後の1回をがんばる元気をいただきました。
第2回で心が折れなかったのは、間違いなくみなさんのおかげでした。
応援してくださるみなさんの気持ちには、第3回のラスト旅トークで結果を出すことでしか応えられないと思いました。
4.ターニングポイントになった日本への一時帰国
第2回のイベント終了後、数時間後に所用で日本に一時帰国しました。
この飛行機の中で、僕は誰にもバレないように泣いてました。
「おれはセブまで来て何をやっているんだろう。。。」
この時は集客が上手くいかない悔しさ、不甲斐なさ、自分の無能さを嫌というほど感じていました。
一人になって、張り詰めていたものが一気に切れていたのかもしれません。
フィリピン航空のCAのお姉さんにもちょっとだけバレて心配されました。笑
でも、最初は悔しさメインでの涙でしたが、いつの間にか昨日のみんなの顔が浮かんでいました。
「泣いている場合じゃない」
一通り泣いたのでスッキリしたせいか、第2回までのイベント開催のことを冷静に振り返れるようになりました。
そして、このセブ→成田の飛行機がターニングポイントになりました。
成田行きの飛行機の中で考えたのは以下の5つでした。
1.旅トークの認知度について
2.旅トークを認知している人でも来てくれないのはなぜか。
3.参加費を下げるかどうか
4.自分や旅トークの見せ方
5.今の状況を楽しむ
①そもそも旅トークは認知されてるか
ようやくこの時にFacebookでの集客があまり上手くいってないのではないか、という仮説にたどり着きました。
第1回や第2回の開催前に、セブで開催されている何かのイベントに参加した時に、僕と全然面識がない人が「旅トーク知ってる!」って言っているのを何回か耳にしました。
「あ、意外と旅トーク広まっとるやん」ってFacebookでの拡散が上手くいってるのではないかと思いました。
これが大きな勘違いでした。
(実際に、ラスト旅トーク(第3回)でとったアンケートでは「第1、2回に参加されなかった理由」の設問に「イベントの存在自体知らなかった」と回答した方が半数以上いらっしゃいました。)
どうすればたくさんの方に旅トークの存在を知ってもらえるのか…
…考えた末に、イベントのポスターを語学学校やゲストハウスに配って、より多くの人に旅トークを知ってもらおうと考えました。
もともとイベントのポスターは作る予定で、知り合いがいる学校のみに配ろうと考えていました。
しかし、それだけでは全然足りないと思ったので、知り合いのいない学校にも訪問して飛び込み営業をすることにしました。
営業みたいなのは日本でもやったことはなく、しかも海外という環境でしたが不思議と迷いはありませんでした。
留学前は自分が、しかも海外で飛び込み営業をやることなんか全く想像してませんでした。
人は追い込まれたら何でもやれるんだなーってことも学びました(笑)
海外で飛び込み営業も経験。13の語学学校とゲストハウスを回りました。
②旅トークの存在自体を知っていても来てくれない人がいるのはなぜか
セブにいる日本人への拡散力は弱かったかもしれませんがFacebookのイベントページで「興味あり」にしてくれている人もたくさんいました。
なので、少しは旅トークの存在を知っている人がいるはずでした。
その人たちはなぜ来てくれなかったのか…
内容がつまらなそうだったから?
予定が合わなかったから?
…ここについてもしっかり考えました。
自分で言うのもなんですが、旅トークの内容自体にはまあまあ自信を持ってました(笑)。
Facebookや口コミで旅トークを認知しているにも関わらず参加していただけない人は、イベントの内容が問題で参加してもらえないのではなく、
「興味はあるけどどうしよっかなー。誰かと一緒なら行くのになー。一人だったらちょっとなー。」
って感じで、
イベントの存在は知ってはいても、参加するまでには至らないの人も多いのではないか
…と考えました。
また、SNSを使った宣伝では「興味はあるけどどうしよっかなー」という状態までが限界で、参加していただくためのあと一歩のきっかけを、いかに与えるかが大事なのではないかと考えました。
海外ではSNSだけでは現地に住む日本人への拡散力がどうしても弱くなってしまいます(母数自体が少ないため)。
したがって、目標とする人数を集客するためにはイベント立ち上げの初期段階においては、
SNSとアナログの集客を組み合わせることがより有効なのかなという仮説も同時に浮かびました。
なので、ラスト旅トーク(第3回)の集客では、「興味はあるけどどうしよっかなー」って状態の人に徹底的にアプローチすることを決めました。
学校でのイベント開催報告で使用したスライド。このアプローチもかなり効いたと思います。
③参加費について
旅トークでは参加費200ペソ(日本円で約400円)をいただいて準備費にあててました。
日本の感覚だと200ペソ(約400円)と聞くと「安っ」って思うかもしれませんが、セブでは1食50〜100ペソくらいで食べれるから200ペソはまあまあ強気な価格設定だったかもしれません。
セブには無料イベントもたくさんあるし、学生にとっては200ペソ+交通費は決して安くありません。
また開始時刻に大きく間に合わない人の集客も困難だと予想できました。こうした理由から参加費も集客に影響していると考えられました。
セブでは無料のイベントがたくさん開催されていました。
正直、無料のボランティアイベントにして少しでも多くの人を集めてカッコだけつけようとかも…一瞬だけ考えました(笑)。
しかし戦略的な無料ならまだしも、集客のための無料や値下げは僕のイベント開催においては何の意味も持たないと考えました。
それに普通に無料にするということは、同時にイベントの価値も下げてしまうということになってしまうように感じたので、 値下げや無料には絶対したくありませんでした。
それに加えて値段以上の価値を出すということはどんな仕事においても大事なことなので、自分に課すハードルを高く設定するという意味でも200ペソは変えないことを決めました。
「値段以上の価値を提供する(お客様の期待を1%でも上回る)」ということは今までの仕事でも常に意識してきたことだし、リピートを得る上で大切なことであるためこだわりたいところでもありました。
無料や値下げするのではなく、
「え、この内容で200ペソなん?めっちゃ安いやん!」
って思っていただけるように、イベントの内容を充実させるというのが僕の結論でした。
④自分と旅トークの見せ方
集客の上手くいかなかった第2回から、他のイベントやコミュニティでもアナログの集客を取り入れました。
ところが「行けたらいくよー」みたいな感じで反応はイマイチでした。
仕事柄なのか何なのか僕は人と会話する時は相手が話しやすい環境を作ることを心がけていました。
なので、
旅トークはどんなイベントなのか
自分がどういった想いで旅トークをやっているのか
…など、自分から発信するということが絶対的に足りなかったことに気がつきました。
誰かの信用を得たり、仲良くなったりするためには聞き上手になることも大切です。
ビジネスの場面では、聞き上手だけでは不十分
という当たり前のことにようやく気づきました。
ラスト旅トークの集客では、よりイベントの魅力をみなさんにお伝えできるようにコミュニケーションの取り方(誘い方、告知の仕方)を根本的に変えることにしました。
⑤今の状況を楽しむ
飛行機の窓から海を眺めながら、今の自分の置かれている状況についても改めて考えました。
・順調だったにも関わらず、理学療法士の仕事を辞めてセブへ留学を決断できたこと
・大好きな旅の分野でチャレンジできること
・応援してくれる人がいること
30歳すぎてこんな青春っぽいことができている今の自分の状況はすごく貴重で幸せなことではないのかと改めて思い直しました。
こんな幸せな時間を過ごせているのに、凹んでいる時間は勿体無いのではないか。
集客のことで頭がいっぱいで、知らず知らずのうちにこのイベント開催が修行みたいになっていました。
本来は自分の大好きな旅についてみんなと語る場所を作ることが目的だったはず。
主催者が楽しんでいなければ、お客さんに楽しんでもらうことなんてできるはずがありません。
苦しいけど、もっと今の状況を楽しもう!って思うようになりました。
……
…以上の5つのことを、日本へ一時帰国する飛行機の中で考えました。
出発前日にがんばる元気はみなさんからもらったものの、成田行きの飛行機に搭乗する前は第3回に対する不安もいっぱいありました。
でも成田に着いて飛行機を降りる時には次までに何をしないといけないか明確になったことで、すっきりとした気分で久々の日本の大地を踏みしめることができました。
あの時のスッキリ感は今でも忘れることができません。
「いい経験ができました」…だけでは終わりたくない。
この想いを胸に、数日後にせまったラスト旅トークに向けた最後の集客が始まりました。
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