ボリビアの荒野で学んだもの。

こんにちは!

今回はウユニ塩湖からラパスに戻るバスの話。

ボリビアの首都ラパスからウユニへはバスか飛行機で行けます。

鉄道もあるらしかったのですが、当時は運休中でした(現在は運行?)。

現在ではラパス〜ウユニ間の移動は飛行機が主流になっているとのことでしたが、僕が行った当時(2011年)はどちらかと言えばバスが主流でした。

このバスがヤバイ!笑

ラパス~ウユニ間はだいたい12時間くらいかかるんですが、舗装されてる道路を走るのが最初の3時間くらい。

残りの9時間は補装されていない土の上を走ります。

舗装されてないから道はガッタガタです。

したがって一晩中震度5くらいの揺れを経験します。

途中、横転するんちゃうかってくらい傾く時も1回や2回ではありませんでした。

往路はほとんど寝れませんでした。

靴なんて脱ごうものなら翌朝自分の靴は後ろの方で発見されます。

…そのくらいヒドイ道を走ります。

そして、そんな環境で事件は起こったんです。。。。

ウユニで絶景を堪能した後、夜行バスでラパスに帰る時のことでした。

僕がウユニからの帰りに乗ったのは観光客が多く利用するトドツーリスモのバスでした。

結構疲れていたから出発して、すぐに寝ました。

それから数時間、一回も目が醒めることなく寝ることができました。

1回目に目が醒めた時はバスはおそらく停止してたと思います。

(あれ?やたら今日は寝れるな)

その時はバスが停止していることなんか気にもとめず、また寝ました。

2回目に気がついた時もまたバスが止まってました。

たしか午前3時くらいだったと思います。

(また止まっとるな。休憩かな。)

そっからは全然寝れませんでした。

数時間経ってもバスはまだ動きません。

これはおかしいな、と思い始めた頃にバスの運転手が事情を説明しに来ました。

「ごめん、バスが故障した。もうちょいしたら違う会社のバスが迎えに来るからそれまで待っといて」

夜が明けました。

外に出て伸びをしました。

すると、荒野の向こうにかすかに街が見えるではありませんか。

何か嫌な予感がしたため、バスの運転手さんに遠くに見えている街がどこの街なのか聞いてみました。

嫌な予感が当たりました。

遠くに見えてた街はコルチャニというウユニから数キロしか離れていない、時間にして1時間もかからないところにある街でした。

僕が寝てる間にバスは走ってるのかと思ってましたが、出発してから1時間くらい走ったところで故障してどうやら、一晩中バスはそこで止まっていたらしいです。

どうりで爆睡できるわけだ。

もうだいぶんラパスに近づいてると思ってたけど、実は12分の1くらいしか近づいてなかったんです。

予定なら、この時間にはもうラパスについているはずで、この日はラパス観光の日でした。

運ちゃんは代わりのバスがすぐ来るって言ってたにもかかわらず、バスはいっこうにやってきません。

待つこと数時間、気がつけばもう昼になってました。

乗客のイライラはピークに達してました。

たくさんの乗客が運転手さんに詰めよってます。

運転手さんが殴られるんちゃうんかって心配になるくらい、すっごい剣幕で怒鳴ってる人もいました。

乗り合わせた日本人の方はラパスから日本に帰るフライトに間に合わなくなるため、一か八かウユニに歩いて戻って飛行機でラパスに向かうと言って、歩いてウユニの街の方向に行ってしまいました。

2011年当時、ウユニ~ラパス間は一日一便しか飛んでなかったため常に満席でした。

歩いてウユニの街に戻ったとしてもたぶん飛行機には乗れなかったでしょう。

僕も次の日の明け方にラパスを発つ予定だったので、このままでは飛行機の時間に間に合わなくなる可能性もありました。

「今は昼の12時か…ラパスまではあと11時間くらいかかるから遅くとも16時には出発してもらわんと間に合わん…」

「どうなっとんやろ」

さすがに僕もちょっと焦ってきました。

この時点で12時間くらいボリビアの荒野に取り残されていたため、周りの人は更にブチキレてました。

ここであることに気がつきました。

40人くらいの乗客の中に3通りの人がいることを。

①ブチキレる人

②混乱して判断を誤る人

③諦めて外の風景を楽しむ人

悲しいことに、①~③のどれをとっても代わりのバスが来る時間は同じなんです。

しかも①〜③のどれを選ぶかも自分で決めることができます。

ボリビアはすごい遠いし、めったに来れる場所ではありません。

その貴重な時間をイライラで埋めてしまったり、冷静さを欠いて状況を悪化させてしまうのはすごくもったいないと感じました。

もちろん、運転手さんを急かしたり最善の策を見つけようと努力することも大切です。

しかし、自分でコントロールできないことは諦めて、与えられた環境を楽しむことはもっと大切なのではないかと思います。

人生においてもトラブルを楽しめる人は強いと思います。

やはりそういうポジティブな思考の状態から最善の判断もできるような気がします。

そう考えるようにすると、焦りしかなかった状態だったのにボリビアの荒野が違った景色に見え始めました。

「あんな動物もおるんや」

「あれは何ていう植物やろか」

何もないボリビアの荒野も思い出の1ページに加わりました。

そうこうしている間に時間が経って、結局バスが来たのは14時くらいでした(笑)。

誰や、すぐバス来るって言ったやつ!笑

新しいバスに乗り換えてバスはラパスに向かって走り出しました。

途中、シャフトが折れるハプニングがありましたが、何とかラパスに到着しました。

2回目の故障。前輪のシャフトが折れたそうです。左側にいるのは外に出て待つ乗客。

ラパスに到着したのは午前3時くらいだったと思います。

飛行機が朝6時だったためホテルを出る予定時間は朝4時でした。

まさにギリギリセーフでした。

通常なら12時間で着くところ、30時間かかりました(笑)

ウユニに行っている間、最終日に泊まる予定だったホテルに荷物を預かってもらっていたため荷物をピックアップして空港に向かいます。

シャワーを浴びさせてもらって、少し時間があったので屋上に上がってみました。

そこにはラパスの夜景が広がっていました。

「色々あったけどいい旅だったな。。。」

ラパスの夜景を眺めながら、この旅を一人で振り返りました。

最終日はラパスの観光はできませんでしたが、大事な気づきと南米一と言われる夜景で締めくくれました。

まとめ

ボリビアでの予期せぬトラブルのおかげで非常に貴重な経験ができました。

絶景を見て心が洗われたり感動的な出来事からも学ぶことが多いですが、僕の旅においてはトラブルから学ぶことも圧倒的に多い気がします。

今回のボリビアの話はその代表的なものだと思います。

この経験のあとは飛行機や電車が遅れた時もイライラしなくなりました。

頭の中でリスケしたり、到着したらすべきことを冷静に考えたりするなど、今の自分にできることだけに目を向けることができるようになりました。

今だから言えることですが…

ボリビアのバス、故障してくれてありがとう!

本日も最後までお読みくださりありがとうございました!

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